MACDは教科書通りに使うな!弱点を克服し、トレンドを見分ける

どうも。佐々川です。

今日のテーマはMACD。

僕が初めてMACDを知った時、「エム・エー・シー・ディー」と読んでいました。

正しい読み方は「マックディー」らしいのですが、稀に「マックデー」と発音している人を見かけると、
CDを「シーデー」、Disneyを「デズニー」と発音していたおじいちゃんを思い出します。

 

日本語では『移動平均収束発散法』と訳されるようです。
(僕もこの記事を書くまでは知りませんでした)

 



MACDは2本の移動平均線の差

まずは、定義から。
MACDとは、計算期間の異なる2本の移動平均線の差(ギャップ)を描画したもの

考案者のオリジナルは、
短期線に12期間のEMA
長期線に26期間のEMA
この2本の差がMACD。

さらに、9期間のMACDの移動平均(EMA)がシグナルラインです。

MACD=12EMA-26EMA

シグナルライン=MACD 9本分の移動平均(EMA)

 

また、MACDとMACDラインの差がヒストグラム。
ヒストグラム=MACD-シグナルライン

 

黄色丸の箇所は26EMAと12EMAが交差している
(差はない)ので、MACDの値は0(ゼロ)となります。

※12,26,9という数字は、設定で自在に変更出来ますし、移動平均線としてSMAやWMAを設定できるインジケーターもあります。

※MT4に標準で搭載されているMACDはヒストグラムを表示させる事はできません。
この記事内で使用している画像のMACDは、2line_MACDというインジケーターを使用しています。
2line-MACD.mq4

 

MACDを正しく理解する為の2つのポイント

あまり知られていませんが、MACDを正しく理解するうえで外せない2つのポイントがあります。

 

ポイント(1)
MACDは26EMAと12EMAの差(乖離)ですが、
視点を変えて、
「12EMAは26EMAからどれだけ離れているか?」と考えると、
26EMAをゼロラインに見立てる事もできます。

MACDとは、26EMA(ゼロライン)に対して、12EMAがどのように振る舞うかなのです。

 

ポイント(2)
MACDは2本の移動平均線の差なので、
MACDを表示しているサブウィンドウの右側の目盛の単位はPipsです。

また、左側のデータウィンドウの数字の単位も当然Pipsです。

 

 

許可書通りの使い方は危険

MACDとシグナルラインの交差
をエントリーやイクジットのサインとするルールはMACDの使い方としては最も有名です。

※MACDがシグナルラインを下から上に抜けた場合は買いサイン、下抜けた場合は売りサイン。

 

誰でも知っているこのルールは
有効に機能する場合もありますが、ダマシも多く
単純にこのルールだけに頼るのは非常に危険です。

 

MACDとシグナルラインの交差をサインとして
描画するインジケーターを用いてみると
下図のように大量のサインが出てしまいます。
MACD-Crossover_Signal.mq4

 

このサイン通り、赤矢印で買って、青矢印で売ってを繰り返すと損切りの嵐です。

教科書通りに、MACDとシグナルラインの交差を
売買のサインに用いたいなら、最低でもトレンドと
同方向のサインのみに限定すべきです。

例えば、上の図に移動平均線1本を表示させるだけで・・・

 

どうですか?
これなら少しは期待が持てますよね。

 

僕はMACDとシグナルラインの交差で単純に売買はせず、トレンド転換の目安として参考にする程度です。

但し、トレードルールによってはイクジットとして使用する事はあります。
※イクジットの目安にする場合も、メインで見ている時間足が5分足の場合は、1分足の交差を見るなど時間足をずらしたりしています。

 

そもそもインジケーターというのは、
相場状況をわかりやすく教えてくれるだけの存在です。

MACDも移動平均線収束発散法という名前が示しているように、
移動平均線が収束(くっついたり)、発散(離れたり)する過程を1本の線で表示しているだけなのです。

 

勢いのあるトレンド(相場の方向)を捉える

では、MACDはどのように使えばいいのか?
注目すべきはMACDの傾きです。

MACDが右肩上がりに上昇している場合を考えます。

左側のオレンジ丸では、12EMAが26EMAに近づこうと上昇しています。

短期線の方が直近の値動きに敏感に反応する為、
12EMAが26EMAに近づこうとする動きは
上昇に勢いがある事を表しています。

また、右側の緑丸では12EMAが26EMAから離れていこうとしています。
これも上昇に勢いがある事を示しています。

 

つまり、MACDが上昇している場合は
上昇トレンドに勢いがある事を示していますし、
下降の場合は下降トレンドに勢いがある事を示しています。

MACDの上昇や下降から、勢いのある上昇トレンドや下降トレンドを捉える事が出来るのです。

 

『フラフラと横ばいに』 はMACDの弱点

2本の移動平均線の差が一定で平行に推移している時はMACDはフラフラと横ばいになる事があります。

緑四角の箇所では、2本の移動平均線が一定の
間隔でキレイに上昇しており、勢いはないけど堅実な上昇トレンドになっています。

しかし、オレンジ四角の箇所はMACDの傾きがなく横ばいに推移しています。

 

このように、MACDだけではトレンドを把握する事は出来ないのです。
勢いはないけど堅実なトレンドを捉える事ができないのは、MACDの弱点なのです。

 

最も勝ちやすい相場状況というのは、勢いのあるトレンド相場です
これは間違いありません。
ですが、勢いがなくてもトレンド相場では勝つチャンスはあります。

 

勢いがないトレンド相場ではトレンドが終焉し、
レンジ相場になったり、トレンドが反転する可能性も高くなります。

エントリーしたけど、伸びずに逆境するというリスクは、勢いのあるトレンド相場よりも高いのです。

 

よって、このような状況でエントリーする場合は、
通常よりリスクが高い事を認識し、
枚数を落としたり、反転の兆候が現れたらいつもより早くイクジットする必要があります。

※これはやや上級者向けなので、無理してチャレンジしなくてもいいです。
初心者のうちは、敢えてリスクを侵さず、勢いのあるトレンドを待つ方が確実です。

 

MACDを用いた2つの基本ルール

MACDを使う場合、僕は2つの基本ルールを重視しています。

基本ルール(1)
移動平均線とMACDの方向が一致していれば、トレンドに勢いがあると判断します。

勢いがあるトレンド相場というのが最もエントリーしやすい状況です。
相場がこのような状況になるのをひたすら待ちます。

しかし、勢いが強いと一旦戻す動きも出やすいので、エントリーは確実に押し目を狙うようにします。

 

基本ルール(2)
移動平均線とMACDの方向が逆向きの場合は絶対にエントリーしない。

移動平均線とMACDの方向が揃っていない相場状況では絶対にエントリーしてはいけません。
値動きが荒くなったり、トレンドが逆行する可能性が高い。

但し、MACDが横ばいの場合は、(勢いはないというリスクはありますが)エントリーは可能です。

 



こんな使い方どうですか?ちょっとだけ具体例を紹介

僕が主戦場としている5分足で、MACDをどのように活用しているかをご紹介します。
これは3年程前に、投資の先輩に教えてもらった手法です。

 

まず、移動平均線は20SMAと240SMA(1時間足における20SMA)の2本。
60SMA(15分足における20SMA)を表示させることも。

MACDの設定は(60,240,20)。
60EMA(15分足における20EMA)と240EMA(1時間足における20EMA)の差がMACDで、シグナルを20期間とします。

※シグナルラインはあまり見ていないのでなんでも構いませんが、一応は20で設定。

 

設定をしたらやる事は一つで、
240SMAと(60,240,20)MACDの方向が揃うまで待ちます。

 

方向が揃えば、1時間足の20EMAに対して、
15分足の20EMAに勢いがあり5分足レベルで戦える相場状況だと考えます。

 

 

このチャートだと、青四角の箇所は240SMAとMACDが下向きに揃っています。
なので、ショート目線。絶対にロングエントリーはしません。

赤四角の箇所は上向きに揃っているので、ロング目線

 

情報商材やブログなどで様々な手法や
インジケーターを知ってしまうと、いろいろなインジケーターを表示させてしまいがちになります。

その結果、自分のトレードスタイルを見失い、スランプに陥る事があります。

 

そんな時は、移動平均線とMACDだけを表示させるこの基本のチャートに戻り自分のトレードをジックリ見直すようにしています。

 

移動平均線とMACDだけでも相場状況を把握する事が出来るのです。

それでは、今日はこのへんで。

 

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