意外と知らない?ストキャスティクスの設定と売買タイミングの捉え方
どうも、佐々川です。
今回のテーマはストキャスティクス。
オシレーター系指標のなかで1番の有名人。
だけど、どうやって設定するのか、
どういった性格なのか、何が出来るのか・・・そんな基本的なことさえあまり知られていない。
この記事では、基礎の計算方法や設定から、
実戦で非常に有効なエントリーのポイントまでバッチリとお話していきます。
今回の記事を正しく理解して自分の血肉にする事が出来れば、日々のトレードにおいて大きく戦力アップする事間違いありません。
※この記事では、”ストキャスティクス”を”ストキャス”であったり、
”STO”と省略して記載しています。
もくじ
ストキャスティクスとは?
過去一定期間の高値と安値に対して、
現在のレートがどのような位置にあるかを0%~100%の範囲で示したもので、
これをストキャスの%Kラインと呼びます。
日足で9日間の%Kは、過去9日間の高値と安値に
対して今日の終値が相対的にどこにあるのかを示しているだけなのです。
例えば、過去9日間の安値が100円、高値が110円の場合、今日の終値が
100円なら%Kは0%、
105円なら%Kは50%、
110円なら%Kは100%、
となります。
わずか0.1Pipsでも高値を更新し続ければ
%Kは天井に張り付くし、逆に安値を更新し続ければ底に張り付きます。
ストキャスは頻繁に0%や100%にタッチします。
オシレーターの記事でも書いたように、
80%以上なら買われ過ぎ、20%以下なら売られ過ぎを示す、なんて事は決してなく、
ただ単に、過去一定期間の安値高値に対する相対的な位置をラインで結んでいるだけなのです。
3本のラインと、2種類のストキャスティクス
ストキャスには%Kの他に、%D、S%Dという
3つのラインがあり、超乱暴に説明すると、
%Kをある期間で平均したものが%D、
さらに%Dの移動平均線がS%Dとなります。
なので、%K、%D、S%Dの順にチャートが滑らかになります。
%Kはカクカクしているので使いずらいです。
ストキャスとして3本のラインを描画
しているソフトやインジケーターは少なく、通常はこれらから2本を選んでいます。
%Kと%Dで、ファスト・ストキャスティクス、
%DとS%Dで、スロー・ストキャスティクス、
と呼びます。
スロー・ストキャスの方が人気があり、
言及が特になければ、ストキャスといえばスロー・ストキャスの事を指す事が多いです。
※3本のラインの計算方法
覚える必要はありませんが、こんなものなのかと軽く一度は理解しておいて下さい。
・%K=(現在値-過去のX本の安値)
÷(過去のX本の高値-過去X本の安値)
×100
・%D=(現在値-過去のX本の安値)の過去Y本の合計
÷(過去のX本の高値-過去X本の安値)の過去Y本の合計
×100
・S%D=%DのZ本の移動平均線
よって、パラメーターは3つで、よく(X、Y、Z)と表現されます。
有名な設定は(5,3,3)や(9、3、3)など。
MT4のストキャスティクスはややこしい。。
「なんでこんなにややこしいの?」
ずっと思ってましたよ。
MT4標準の”Stochastic Oscillator”の設定って本当にわかりずらい。。
まずですが、このインジはメインとシグナルの
2本のラインを表示させる事が出来、設定によってファスト・ストキャスにも、スロー・ストキャスにも変身します。
これを知らない人は非常に多い!!
▼メインとシグナルの2本のラインを表示
設定の1番のポイントはスローイングで、
1ならファスト・ストキャスとなり、
メインが%K、シグナルが%Dとなります。
2以上ならスロー・ストキャスとなり、
メインが%D、シグナルがS%Dとなります。
▼”スローイング”が最重要
設定の2番目のポイントは
パラメーターの配置で、この記事でも書いた(X,Y,Z)は下図のようになっています。
▼X、Y、Zの場所はよく間違うので要注意!!
この例だとまず、
スローイングが3なのでスロー・ストキャスになります。
過去9本の高値と安値から%Kを計算し、
%Kの3本の平均から%Dを算出します。
そして、%Dの5本の移動平均線がS%Dです。
また、黄色丸で囲った
”価格欄”は、高値・安値を参照するか、それとも始値・終値を参照するかの設定で、
”移動平均の種別”はシグナルライン(ここではS%D)を計算する際の移動平均線の種類です。
※注意なのが、ファスト・ストキャスを表示させた場合に
シグナルラインとなる%Dの計算方法は、%Kを単純に移動平均した値となっていて、厳密に言えば間違っています。
どうしても気になる方は別のインジケーターを探したらいいと思いますが、
計算結果はほとんど気にならないレベルだし、僕はスロー・ストキャスしか使わないのでなんの問題もありません。
2本のストキャスを用いたエントリー
エントリールールの説明の前に2点だけ復習。
まず、全ての売買ルールでも同じなのですが、
必ず上位足に沿った方向にのみエントリーするのは徹底して下さい。
これからお見せするチャートは5分足です。
その場合の上位足は、15分、30分、1時間、
4時間、日足と沢山あり、もちろん全ての
トレンドを確認しても構いませんが、分析に時間も掛かるし、エントリーチャンスも少なくなります。
なので、1つか2つの上位足の確認が妥当だと思います。
5分足でトレードする場合は、1時間足のトレンドを確認する方法がお勧め。
1時間足に逆らったトレードを行うと、
逆行するリスクや、長いヒゲが上下に伸びるなど荒れた相場でロスカットに引っかかりやすくなってしまいます。
次に、オシレーター系は投資家心理の強弱を示す、という原則を確認して下さい。
この言葉を聞いて、ピンとこない方は
『オシレーター系指標の本当の見方!科書通りの使い方では破産する。。』
を必ず確認して下さい。
さて、いよいよ具体的なルールですが、
変数として(20,10,1)と(60,30,1)の2本のスロー・ストキャスを用います。
(期間が60のストキャスは、15分足における20期間のストキャス)
Z(%D期間)=1なので、シグナルライン(S%D)がメインライン(%D)と重なります。
つまり、僕は%Dのみを使っているという事です。
【ロングエントリー】
・60SMAが下降していない、かつ
60STOが上昇か天井圏にある
・20STOが62%より下で、上昇に転じる
・安値・高値を更新し、ダウが上昇トレンドを築く
【ショートエントリー】
・60SMAが上昇していない、かつ
60STOが下降か底圏にある
・20STOが38%より上で、下降に転じる
・安値・高値を更新し、ダウが下降トレンドを築く
緑丸の辺りがロングエントリーの絶好のポイント。
前回の高値を上回り上昇ダウが完成し、20STOも62%より下で反転してきている。
また、60SMAと60STOが右肩上がりに
上昇しているので、15分足レベルでも勢いのある上昇トレンドになってきています!
トレンドの勢いが弱くなったらイクジット
イクジットのルールは簡単で、
エントリーしたトレンドの勢いが弱くなる、鈍る、上値が重い、
などが感じられたら迷わずトレンドの波から降りて下さい。
結果として、イクジットの後さらにトレンドが伸びる可能性はもちろんあります。
っが、トレンドの尻尾はくれてやればいいのでそこを悔やんではなりません。
欲張って尻尾も取ろうとすると自分の投資スタンスを崩し、スランプに陥ったりするので要注意です。
【イクジット】
・ダイバージェンスが発生
・60STOにおいて、トレンドの勢いがなくなった
・高値、安値の更新をせずトレンドが崩れた
先程と同じチャートです。
1番のイクジットポイントはP1。
ここで20STOでダイバージェンスが発生。
上昇トレンドの勢いが弱くなってきています。
また、P2では前回の安値を下回り、上昇ダウが崩れたのでここもイクジットとしては悪くない。
どんなに遅くても、P3で60STOが天井圏から下降に転じだしたポイントではイクジットすべきです。
その他にも、イクジットポイントとしては
・トレンドラインを割った
・グランビルの法則でエントリーと逆方向のサイン点灯
なども有効です。
ここらへんは、今回のテーマとは異なる内容なのでまた別記事にしてみようかな。
それでは、今日はこの辺で!!